19
10 月
私が就職した会社には、ろくな男性がいなかった。
独身男性はキモ男ばかりだし、既婚男性もお腹の突き出た中年ばかりだ。
うちの会社で魅力的なのは、先輩女子社員の美紀さんだけで、まるで宝塚の男役のようなきりりとした美形だった。
美紀さんは仕事ができて、頭がよくて、いつも私の失敗をやさしくフォローして、はげましてくれる。
彼氏に振られて、べろべろに酔っ払った私を介抱してくれていた美紀さんに、
「美紀さんが男だったら、あんな男と付き合ってなかったのに。」
ってグチっちゃったのは、本音だったんだ。
美紀さんと彼氏をつい比べちゃって、文句ばっかりいってたんだよね。
美紀さんはわめき続ける私をなだめながら、私のうちまで送ってくれた。
一人暮らしの家で、一人になりたくなくて、私は美紀さんに、
「帰らないで・・・。」
と駄々をこねた。
美紀さんは困ったように微笑んで、うちに泊まってくれた。
パジャマがないから、私のTシャツを着て、ベットの横に敷いた布団で美紀さんが寝ている。
私は妙にどきどきしてきて、目がさえてしまった。
「美紀さん、そっちに行ってもいいですか?」
レズじゃないけど、人恋しくて、私は美紀さんにおねだりした。
「ん。いいけど・・・。」
美紀さんの気が変わらないうちに、ベットからお布団にすばやく移動。
お布団の中はあたたかくて、美紀さんのいい香りがする。
